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講義「環境教育の充実」   
 平成11年8月23日(月)             講義者:産業科学課                                          指導主事 ○○○○
          記録者:学校経営課  パンダ
1 はじめに
 ○ 今、あなたが環境教育の授業を5時間することになったら、「どんな題材でどのように授業を組 み立てるか」とか「子どもたちにどんな力を付けようか」と悩むのではないか。
 ○ 何をすればよいかよく分からないまま、環境教育をやっているのではないか。
○ 今までの10年間の環境教育は効果がなかったと文部省は判断していると思う。そこで出てきて いるのが、「総合的な学習」とか「領域をクロスさせる」ということだ。
 ○ 「全国小・中学校環境教育賞」に応募する学校でさえ、「特別活動」と「理科」で実践する事が 多く、「栽培」「清掃」「資源回収」を実践内容の柱としている。環境教育というものが明確になっ ていないまま実践している。これでは、環境教育のすり替えであり、前に進まない。
2 環境教育はなぜ必要?
○ 環境問題があるから。今の環境問題は「生活型環境問題」
   われわれが被害者であり、加害者である。われわれも学習しなくてはならない一人である。対策 は一つしかない。自分たちの生活スタイルを変えることである。
 ○ 「環境教育とは、環境や環境問題に対する国民の意識改革の作業である。」(平成7年版「環境白 書」<環境庁編>)→環境に対する豊かな感受性や見識を持つ人づくりが必要
3 学校における環境教育
○ 「基礎となるのは、自然や生命についての感受性・感性である。」ということを押さえる。
○ 環境にかかわる学習の機会や場を計画的に設けるよう工夫することが大切。
4 具体的な活動として何をしましょうか?(例を挙げて説明)
 ○ ある特別研修員の実践「牛乳パックの再利用」
   子どもたちに、「みんながリサイクルは大切と言っているのに、実際の社会では行われてない。 こういう社会矛盾があるのはなぜなんだ。」と気づかせ、「どうしたら解決できるんだ。」と考えさせ るような実践。これが環境教育なのだと思う。   
 ○ 3年生理科の実践「マツボックリのしくみを考える」             
「種になぜ羽がついているのだろう。」との問いかけから、子どもたちに、松の持っている機能 のすばらしさに気づかせ、ひいては自然のすばらしさに気づかせる実践。
5 おわりに
○ お決まりの環境教育ではない、上記の例に挙げたような、環境教育の根幹にかかわるところにア プローチできるような実践をしてほしい。
《所感》
 地球規模で切実な問題である環境問題について、私たちは無頓着すぎるのかもしれない。「分かっちゃいるけど、できない」のが人間なのかもしれないが、もうそんなことは言ってられないほど、早急に解決しなければならない時となってきている。教師自らの意識改革をするのはもちろん、次代を担う子どもたちに心に響くような適切な環境教育をしていくことが今の我々に課せられた責務であることが再認識させられた。


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