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(4) 所外研修
ア 教育施設、先進校等の視察研修

所外研修1を終えて

     学校経営課
     長期研修員(A) パンダ
《所感》
 本日は、視野を拡げるために、本総合教育センターを離れ、「群馬県社会福祉総合センター」並びに「県立ぐんま天文台」へ伺い、研修をしてきた。2つとも私にとっては初めて伺う場所であった。「県立ぐんま天文台」については、テレビなどのメディアによって名前だけは聞いていたので、一度行ってみたい所でもあった。
(群馬県社会福祉総合センター)
 ここは、平成10年2月にオープンした。「ふれあい・交流」「情報の提供」「人材の育成」「民間活動の支援」の4つを柱に、新たな福祉施策の積極的な推進を目指してつくられた、新しい県民施設の拠点となるところである。新前橋駅から歩いて3分ほどの近い便利な所にある。地上9階、地下2階で、延べ床面積が14,655.856uもある、大変大きな建物である。この建物を見学させていただいて、大変驚いたことは、至る所に福祉的な心遣いが感じられたことである。例えば、@通路などには手すりが連続して設置してある A段差がない B点字ブロック C磁気及び音声誘導装置(白い杖を持って歩くと、振動で正しいコースを歩いているか教えてくれたり、音声でその場所がどこであるか案内をしてくれたりする) D磁気ループ設備(会議室等に設置されており、耳の不自由な人が補聴器で聞いている場合、音声が聞き易くするシステム) E車椅子対応シャワー室 などである。ほかにもまだまだたくさんあった。いずれにしても身体の不自由な人を初め、いろいろな人の立場に立って考えられて造られた施設であることを実感した。まさしく、群馬県の中での福祉的施策の中心的な存在になっていく場所であると思った。8階のホールには、星野富弘さんの原画「ふるさとの秋」もとにした緞帳があった。その温かい画風が、この施設の底流にある「人にも環境にも優しく」という精神を象徴しているようであった。
(県立ぐんま天文台)
 吾妻郡高山村に、今年7月21日にオープンにしたばかりの施設である。群馬県の人口が200万人に達したことを記念に行われた事業の一つで造られた。ちょうどその頃、向井千秋さんがスペースシャトルで飛び立ったことも影響しているとのことであった。建物は5階建てである。1階から3階まではスロープがあり、車椅子の方もそこを使って行けるように造られている。館内を見学させていただいた。まず「太陽望遠鏡スペース」に行った。今現在の太陽の表面の様子を直径1mの像にして見られ、黒点の様子も分かった。目の前でこんな風に見えるのが、なんか不思議な感じがした。次に「7mドーム」に行き、65p望遠鏡を見た。この天文台で2番目に大きい望遠鏡である。将来は学校から望遠鏡の操作ができるようになるとのことである。次に「11mドーム」の150p望遠鏡を見た。大変大きな望遠鏡であった。それもそのはず、直接目で覗くことのできる望遠鏡では世界最大級であるとのことでる。これは、一般の観望会から本格的な観測研究までできるものである。最後に外に行き、「観察用望遠鏡」の様子なども伺った。いずれにしてもすごい機材の揃った施設であることは間違いないことが分かった。あとは、このような施設と学校が上手に連携を図って、子ども達のためにどのような活用の仕方ができるか考え、実際に教育課程の中に組み入れていくことが大切であると思った。


所外研修2を終えて

     学校経営課
     長期研修員(A) パンダ

《所感》
 十五夜にあたる今日は、視野を拡げたり資質を向上させたりするために、本総合教育センターを離れ、「県立高崎高等養護学校」並びに「長野原町立応桑小学校」へ伺い、研修をしてきた。「県立高崎高等養護学校」については、6年前にいっしょに学んだ子どもがいるので、その子に会えるかと思い楽しみであった。また、応桑小学校では家庭や地域との連携を図りながら教育実践を積んできていると聞いていたので、これからの教育実践の参考にできるだろうと期待していた。
(県立高崎高等養護学校)
 ここは、平成9年4月に高等部単独の精神薄弱養護学校として開校した。普通科と職業科があり、職業科の中には、農業園芸科、産業工芸科、家政被服科の3つの科がある。普通科では、精神発育の遅滞が中度や重度で、日常生活において常時介護を必要とする生徒を受け入れて、家庭的・社会的自立を可能にする知識や態度を育成している。また職業科では、精神発育の遅滞が軽度あるいは中度の生徒を受け入れて、社会的・職業的自立を達成する資質・能力(職業生活・自立に必要な技術や態度、知識等)を育成している。
 伺ってまず驚かされたことは、施設・設備のすばらしさである。校舎は、県産木材をふんだんに使った木造となっている。校舎や体育館などの建物はもちろん、クラスの表示プレートなどの小さいものにいたるまで、とにかく木にこだわりつくられた感がある。そのため、木が本来持つ「ぬくもり」や「美しさ」などが学校全体に表れている。そして、素材だけでなく、空間を大事にしたゆとりのある設計がされているので、校内にいるだけで安らぐ思いがした。このような所では、学ぶ子どもたちも指導する教師も、穏やかな気持ちで触れ合いながら、互いに磨き合うことができるのではないかと思った。
 「環境教育」や「地域に開かれた教育」を意識した数々の実践にも目を見張るものがあった。「自然保護に目を向ける活動」「地域の方を指導者に迎えた農作業体験」等、参考になるものが多かった。
 2年生と3年生は現場実習に出ていたので教え子に会えなくて残念だったが、1年生の校内実習の様子を参観させていただいた。将来の就労時に備えて、黙々と作業をし学んでいる生徒たちに感心した。また、それを支えている先生方の日々の指導の様子が偲ばれた。
(長野原町立応桑小学校)
 本校は、平成8、9、10年度に県教委から「小学校教育課程研究開発校」に指定され、平成9,10年度に文部省から「小学校教育課程研究校」に指定され研究や実践を進めてきている。児童数65名、職員数12名の小規模校である。「自ら学ぶ意欲を高める教育課程の編成・実施 −家庭・地域社会の教育力を生かして−」という研究主題を掲げ実践を積んできたとのことである。指定以前から、地域との深いかかわりを持った実践を積んできた素地があったそうであるが、指定されてからは、地域との連携がさらに計画的に有機的に行われてきている様子がうかがわれた。「教育課程開発研究部」と「地域連携推進委員会」が研究組織の中に位置づけられており、研究の推進役を担ってきたようであった。特に「地域連携推進委員会」は、家庭・地域社会の代表5名と学校の代表5名で組織され、学校と家庭・地域社会との連携に大きな役割を果たしているようだった。これからの新しい教育課程を編成する際に大変参考になることであると思った。
 子どもたちと会うと、明るく元気な表情であいさつができていた。児童数が少ないこともあるが、今まできめ細かな指導を受けてきて、一人一人の子どもたちが学校生活や家庭・地域での生活の中で大きな満足感や成就感を味わってきているからこそ、そんな前向きな姿を見せているのだと思った。図書室の様子を見学させていただいたが、教師や児童たちがアイデアを出し合って、ほのぼのとした空間を作り上げていた。
 視察の帰り際に、「地域の人がぜひおみやげに持っていってほしいと持ってきた白菜やキャベツがあるので、どうぞ。」と言われ、遠慮なく大きな白菜をいただいてきた。こんなところにも、地域と密着した学校の様子がうかがえた。


イ 社会福祉施設での体験研修

ボランティア体験研修を終えて

     学校経営課
     長期研修員(A) パンダ

1 研修テーマ
「福祉施設におけるボランティア体験のあり方について」
── ○○○○○○における体験をとおして── 
2 研修の目的
・施設や職員の活動を見学することによって、施設やお年寄りに対する看護・介護の様子を認識する  とともに、配慮するべき点などを学ぶ。
 ・入所しているお年寄りと実際に交流するとともに、職員が行う活動と同様な活動を体験することに  よって、お年寄りに対する看護・介護の実際を体得し、お年寄りの支援のあり方についての理解を  深める。
 ・自らの体験を今後の教育活動に生かすとともに、福祉施設におけるボランティア体験活動のあり方を考える。
3 ボランティア体験研修先
  ○○
4 研修内容
 (1日目−9月1日)
 (1)オリエンテーション(婦長より施設案内、概要説明等)(2)デイ・ケア(通所)のお年寄りの方々とのふれあい@体温計測の手伝いAラジオ体操B入浴時の手伝い(脱衣・着衣の補助、整髪等)C食堂への誘導、昼食の準備(茶、食事の配膳)Dリハビリついての講義(理学療養士より)Eレクリェーション会場の準備F踊りの会「恵会」のボラ ンティアによる踊りの参観G会場の片づけH食堂への誘導、おやつの配膳I帰宅時の玄 関での見送り、迎えが遅くなるお年寄りとのふれあい(折り紙)J職員のミーティング の参観Kデイ・ケア・サービスの現状等の講義(理学療養士より)
 (2日目−9月2日)
○3階(痴呆棟)に入所中のお年寄りの方々とのふれあい@夜勤者から日勤者への申し送りのミーティングの参観Aテナー(おむつ)交換、トイレでの補助Bベッドのシーツ 交換C入浴時のための着替えの準備Dテナー交換E昼食の準備(茶、食事の配膳)F昼 食の片づけG入浴時の手伝い(脱衣・着衣の補助、整髪等)H食堂への誘導、おやつの 配膳Iお年寄りとの語らい
 (3日目−9月3日)
○2階(一般棟)に入所中のお年寄りの方々とのふれあい@夜勤者から日勤者への申し送りのミーティングの参観A特浴(機械浴)の介助(脱衣・着衣の補助、整髪等)B食堂への誘導Cテナー交換D昼食の準備(おしぼりの配布、茶・食事の配膳)E食事の介 助F一般浴の介助(脱衣・着衣の補助、洗体・入浴の介助)F職員のミーティングの参 観Gテナー交換

5 所感
「○○○○○○」は2年前につくられた施設です。本施設ができた年から、○○小学校では少しずつ交流をさせていただいています。音楽クラブ、演劇民舞クラブ、ボランティアクラブ、JRC委員会などの子どもたちが年に何回か伺い、合唱や合奏や劇などを披露したり、いっしょに折り紙をして遊んだりすることによりお年寄りとふれあってきています。ところが、教職員は、上記のクラブや委員会の担当以外はそれまであまりかかわっていませんでした。そこで、昨年度の3学期(2月末)に職員研修の一環として、施設の訪問をすることにしました。たった1時間半の研修でしたが、施設を見学したり運営状況の説明を受けたりすることにより、本施設の概要を多少把握できました。ですから、初めて伺う施設に比べれば、多少なりとも安心感がありました。
 しかし、今回のように、本施設の職員と同じ立場に立って体験研修をすることは初めてです。やはり、当日の朝を迎え時には、正直言って大変不安でした。どんなことをするのだろうか、果たして自分に務まるのだろうか、と。研修がスタートしてからも初めのうちは、お年寄りに対して、どこまで、どんなふうにかかわっていったらよいのかあまりよく分からないまま動いていました。でも、入浴の世話をしたり、食事の準備をしたりしていて、「すみませんね。ありがとう…。」と申し訳なさそうに声をかけて下さるお年寄りに出会えた時、大変嬉しく思ったというよりも、かえって気を遣わせてしまってこちらこそ申し訳ないと思ったのですが、それ以来、少しでも役に立ちたいと思い、自然に体が動くようになっていきました。
 今回の体験で、いろいろなお年寄りとふれあうことができました。意識はしっかりしているけれど体の不自由な方。痴呆症になってしまって、現実の状況がよく把握できなく、話す内容につじつまが合わない方。痴呆症のために、徘徊を続ける方。本当にさまざまです。症状の軽重もさまざまです。でも、なぜかすべてのお年寄りに感じたのは、温かさでした。その温かさはどこから来るのでしょうか。長く人生を歩んできた経験からなのでしょうか。世話をしてもらって申し訳ないという気持ちからなのでしょうか。その答えは見つかりませんが、その温かさに触れるにつれ、よく表現できないのですが、切ない気持ちというか、何というか複雑な気持ちになってしまいました。
そんなお年寄りに対して毎日接している職員の方々。使命感に燃えているのだけれどそれを大げさに表現するのではなく、自然体でお年寄りと接している姿。そんな職員の方々とのふれあいも、私にとって大変貴重な体験でした。とにかく一人一人のお年寄りのことをよく知っていることには感心させられました。このような施設で預かるお年寄りですから、そのくらいのことは当然必要なのかもしれません。でも、それにしてもよく把握しているのです。それだけ、ふだんの生活の様子を見ているのです。見ているだけではありません。いっしょに生活をしているのです。食事介助、入浴介助、排泄処理が三大介助と言われているそうですが、そのようなことを毎日行っています。その他にもレクリェーションや会話などをして、常にお年寄りとかかわっています。自分の家族のようです。だからこそ、一人一人のことをよく把握し、個に応じた接し方ができているのでしょう。そして、それだけではありません。勤務時間の終わりには、一人一人のお年寄りの様子についてのミーティングをし、これからの接し方を確認し合います。そして、それをそのまま、次の時間帯の勤務者に申し送りをするようにしています。こうすることにより、すべての職員が共通理解・共通認識に立って、介護や看護ができるのです。ミーティングの時に使うカードを見せていただきました。そのカードは一人一人の患者のものでした。そのカードには、お年寄りに関することがたくさん書かれているのですが、その中にこんな項目がありました。「問題点・ニード」「目標」「計画」「実行」「評価」です。これらを目にした時、教育現場でも大切であると考えられていることと全く同じだなと思いました。そして、それが、ここでは毎日のように実践されているのです。当たり前のことなのかもしれませんが、学ばなくてはならないことだと痛感しました。
 また、職員の方のお年寄りへの接し方を見ていて改めて勉強になったのは、お年寄りのために何でもしてあげるのではなく、その人その人の症状に合った接し方をするということが本当の優しさであるということです。時には、ただ「見守る」だけで、できることは時間がかかっても本人にさせるようにすることが必要なのです。「おむつをかっていた人が、ここに来てから自分で簡易トイレにできるようになったんですよ。そんな時は嬉しいです。」と一人の若い職員の方が笑顔でおっしゃっていた言葉が印象的でした。お年寄りが少しでも自立できるように手伝うこと、それが真の介護であり看護なのだと思いました。このことについても、教育現場での子どもに対する接し方で参考になることだと思いました。
 本施設は、もともと在宅療養中の方や病・医院で治療後のリハビリが必要な高齢者の方に、日常生活の自立と家庭復帰を支援するためにつくられました。ですから、病院と家庭の中間的存在なわけです。今でももちろんそういう目的で運営しているのですが、年を追うごとに少しずつ変わってきているようです。というのは、本来入所する方は軽い症状で、三か月から半年の間だけのはずなのですが、最近では、症状も重い方が増えてきて、入所期間も延長を承認せざるを得ない状況もあるそうです。それは、病院が受け入れなかったり、各家庭でちょっとした世話もできず施設に任せっきりであったりという現実があるためのようです。こんな現状を目の当たりにした時、これからの福祉問題、家庭問題等に社会全体が真剣になって取り組んで行かなくてはならないことを改めて思い知らされました。
 今回の三日間での体験研修は、正直言って楽ではありませんでした。汗をびっしょりとかいてお年寄りの体を洗う場面もありました。汚れたお尻を拭いてテナーを交換したりもしました。しかし、そういった体験をしたからこそ、見えたり感じ取れたりしたことが多くあったような気がします。本当によい勉強ができたと思いました。施設の方々には、懇切丁寧に教えていただきました。何もやったことがない者を受け入れることは、たとえボランティアといっても、かえって迷惑なこともあると思います。それにもかかわらず、親身になって接して下さった職員の方々に、心より感謝を申し上げたいと思います。
 この体験をとおして、自分自身が少し優しくなれたような気がしています。そんな自分にしていただいたお礼に何ができるでしょうか。一番のお礼になるのはやはり、今回勉強できたことをこれからの教育活動や自分の人生に生かしていくことでしょうか。大上段に構えるのではなく、自分のできることを少しずつ実践していきたいと思います。教室に戻っていった時、子どもたちにも伝えていきたいと思います。そして、小学生ができるお年寄りとのふれあい方を考えさせたり、「○○○○○○」のお年寄りと交流していく機会をつくったりしていきたいと思います。




 ウ 企業での体験研修

研修先│群馬テレビ │藤岡市立○○小学校教諭 ○○

 以前に2回、5年生の社会科見学で子どもたちを引率して、スタジオで昼の生番組「ふれ愛ワイド」の様子を見学させていただいたことがあったので、当時のことを懐かしく思い出しつつ、大変楽しみにしていました。また、今回はちょっとした見学ではなく、裏方の業務の様子なども実際に見せていただけたりさまざまな体験もさせていただけたりするかもしれないと思い、大変期待に胸を膨らませていました。そして、当日を迎えました。
 第1日目は、別館にある制作部で研修をしました。その別館には、関連企業である「株式会社群馬テレビエンタープライズ」もありました。プロデューサーの小島正昭さんにお会いし、研修内容について聞きました。研修は、毎週月曜日の午後9時から30分間放送されている「JAみどりの風」の収録に同行するということでした。今回の番組内容は、JA前橋市で行っている高齢者福祉活動についての紹介でした。
 さっそく、○○さんを初め、ディレクターの○○さん、アナウンサーの○○さん、カメラマンの○○さん、音声・照明担当の○○さん、そして、今回いっしょに研修を受けることになった○○先生とともにいろいろな場所に行きました。まず、前橋市内の広瀬団地に住んでいて、行政受託のホームヘルプサービスを受けている方のお宅に行きました。家の中からデイサービス車に乗車して出発するところまでの収録です。ディレクターの適切な指示の下、カメラマン、音声担当が小気味よく動いて収録。アナウンサーは、長い説明にもかかわらず、難なく流暢に進めます。さすがプロだなと思いました。私たち研修員は、プロデューサーに教わったとおりにカメラの画面に入らないようにするのに精一杯。実際の収録場面に立ち会っている喜びと緊張感を味わいながらのひとときでした。収録現場での指揮者はディレクターで、収録に至るまでの折衝などの準備や現場での環境整備・きちんと収録できたかの見守りの役目がプロデューサーであることも分かりました。
 その次に向かったのは、助け合い組織「つくし会」のホームヘルプサービスに家事援助を依頼している方のお宅。依頼者とヘルパーとの温かいふれあいの場面やヘルパーが実際に食事を作っている場面を収録。ディレクターが番組全体の構想をしっかりと立てながらその場その場で指示を出していたり、アナウンサーが相手の答えに合わせうまく話を引き出すような工夫をしながらインタビューをしていたりすることに感心しました。
 続いて、JA前橋市に向かい収録。ここではまず、番組の最初の部分でアナウンサーが紹介するところを収録しました。番組作りをするための台本があって、それを見ると30分の流れがよく分かるようになっています。しかし、実際の収録はその順番通りではなくあちこちに飛んでいます。素人の私の頭の中は混乱していましたが、スタッフの方たちはいとも簡単にこなしていました。その後、JAの職員へのインタビューのシーンを収録した後、昼食となりました。昼食の時間やカメラが回ってない時にはスタッフの方々の素顔が見られました。冗談が飛び出したり、笑ったりして大変明るい雰囲気でした。スタッフの皆さんがアットホームの中でチームワークを組んで仕事をしていることがよく分かりました。収録の合間に見せる表情と収録本番に見せる表情のギャップに驚きました。仕事に対するプロ意識を感じさせられました。
 最後に、JA前橋市南部支所に行き、家庭介護教室の講習会とヘルパー会議の様子を収録しました。私たち研修員も、照明係をさせていただき収録の体験をさせていただきました。ライトの照らし方一つをとっても、難しいことであることがよく分かりました。
 収録が終わったのは5時半頃だったでしょうか。スタッフの皆さんの成就感に満ちあふれていて、大変生き生きとした表情が印象的でした。
 後日(9月13日)、実際に放送されたものを見ました。よくまとまった番組に仕上がっていました。あの後、ディレクターを中心にして、相当な時間をかけて編集をしたのだと思います。その苦労を想像しながら、また、収録の場面を思い起こしながら番組を見させていただきました。画面のこちら側に自分もいたのだなと思うと、なぜか不思議に思いました。番組の最後に、「AD パンダ ○○○○ …」と載せて下さってあり、嬉しく思いました。しっかりとビデオに録画しておいたので、よい記念になりました。
 第2日目は、技術部で研修をしました。設備や番組作りの実際などの説明を○○副部長さんが懇切丁寧にして下さいました。たくさんの機械が並び、それを難なく操作している技術部の方たちには驚きました。その後、昼の生番組「ふれ愛ワイド」を中継するスタジオに行きました。本番前には、カメラの操作の仕方を教わり実際に操作させていただきました。カメラマンの○○さんが丁寧に教えて下さいました。本番3分前になっても、カメラのことだけでなく、副調整室の中でいろいろ説明をして下さいました。私などは研究授業の直前にそんな余裕などないと思いますが、全くあわてることなく説明をして、ほんの1分前頃にカメラの前に立って、難なく本番を迎えるところには驚きました。なれているとはいえ、すごいものだなと思いました。それは、カメラマンだけではなくアナウンサーなど他のスタッフも同様でした。ほんの5秒ぐらい前まで冗談を言っているほどの度胸の据わっている姿を見て、ただただ感心してしまいました。やがて本番が始まりました。そしてあっという間に番組時間の40分が過ぎました。いつものように何のアクシンデントもなく自然に番組が流れていきましたが、そうなるには、綿密な計画とスタッフのチームワークが必要であることが分かりました。スタッフの一人一人がそれぞれの仕事を責任をもって果たした上での結束力の固いチームワーク。アナウンサー、カメラマン、ディレクター、スイッチャー、副調整室とスタジオとのつなぎ役のアシスタントディレクター。子どものようですが、「かっこいいな。」と素直にそう思いました。番組作りの達成感や満足感がスタッフの皆さんをそのように輝かせているのだと思いました。
 午後は、○○取締役総務局長さんから会社の概要などの話を伺いました。昭和46年4月16日に開局してやがて30年を迎えようとしている群馬テレビが歩んできた道や今の状況、そして、これからの展望などを話して下さいました。テレビ界は今、多額の設備投資が必要なデジタル化を目前に控えて、大きな過渡期を迎えているそうです。群馬テレビにも、デジタル化という変革の波が押し寄せてきているとのことでした。実際のところは私には分かりませんが、困難な問題が山積しているのだと思います。しかし、試行錯誤を繰り返しながらも開局20年後に累積赤字を解消できた底力の大きさや職員の仕事に対する真摯な態度、そして本番中に見せるスタッフ一人一人の目の輝きを見る時、この大きな壁も難なく乗り切っていけることだろうと推測できました。  
その後も、マスター室の様子を見学させていただきました。ニュース番組、ビッグエッグナイターなどの生番組でのディレクターやスイッチャーの1秒刻みの動きには、本当に目を見張るものがありました。視聴者にとって当たり前のように流れる番組の裏方には、実はこんなに緊張感にあふれる作業があったのかと、驚きと感嘆の連続でした。スタッフの一人の方が「なれればできるんですよ。」とおっしゃっていたのですが、相当な時間をかけて練習をしなければ私にはできないだろうなと思いました。また、できたとしても相当神経が疲れる作業であると思いました。
 第3日目は、朝5時に伺い、技術部ですべての機械の電源を入れるところから見学させていただきました。たくさんのスイッチを入れて回るだけで大変な作業であると思いました。毎朝6時からテストパターン放送をしているので、それが始まる1時間前にこの作業をするのだそうです。薄暗いマスター室。2人の職員の方が暗黙の了解の下、それぞれが手分けしてスイッチを入れたり放送の準備をしたりします。こんなところにもプロ意識を感じました。6時55分から始まった朝の生番組の様子も目の当たりに見せていただきました。アナウンサー、ディレクター、ビデオ担当、アシスタントディレクターのたった4人で番組がつくられていました。緊迫した雰囲気の中で生き生きと仕事をしている姿は大変輝いておりました。
 9時からは報道部で研修をしました。選挙報道などでいつも拝見する○○局次長兼報道部長さんに本日の予定を説明していただきました。また、取材の仕方や原稿の書き方などを教えていただきました。テレビに出ている人と話ができていることに不思議な感じを持ちました。
 今回は、ニュースの取材に実際に同行して、原稿書きをするという研修でした。2か所に行くことになっていました。それぞれ、記者とカメラマンの2人に我々研修員2人が同行させていただきました。
 まず最初は、新県庁舎の県民ホールに出向きました。化学リーグ21などの団体が県に対して車椅子を寄贈する式が行われるということでその様子を取材してきました。ホールの中は音が反響したりしていたため、式の中での挨拶の様子などがよく聞き取れませんでした。こんなことでは、プロの記者も原稿が書きづらいのではないかなと思いながら帰ってきました。報道部にもどってきて、○○先生と協力して原稿書きに挑戦してみました。いろいろと悩みながら仕上げましたが、○○さんに指導していただくと原稿としてはまだまだ不備の点があることが分かりました。そのあと、プロの原稿を見せていただきました。やはりプロは違いました。簡潔でしかも必要なことはきちんと網羅した内容でした。脱帽でした。同じ時間同じ場所にいたのに、こうも違うかと思わせるものでした。取材に行く前におよその構想を立てているのかなと思いました。そして、その構想内容に必要な材料を現場で集めてくるのでしょう。そういえば、贈呈式の前に関係者の何人かに聞いて回っている姿を拝見しました。この辺の差と文章作成能力の差が表れてしまったのだと思います。
 気を取り直して次に向かったのは伊勢崎市消防本部。若い女性の記者とベテラン風のカメラマンと同行しました。救急救助実技訓練点検の様子の取材です。カンカン照りの中、ただ見ているだけでも汗が流れ落ちてくるほどの暑さで、頭がおかしくなりそうでした。そんな中、カメラマンは汗びっしょりになっていろいろな場面をさまざまな角度から収録していました。記者の方も関係者から取材していたり、カメラマンに画像の取り方を指示したりしていました。プロの機敏な動きに感心しました。1時間半ほどの取材後、群馬テレビにもどりました。そして、さっそく原稿書き。今度こそはと頑張ってみたものの、やはりまとめるのは難しく思うようにはできませんでした。そして、その後プロの原稿を見せていただきました。「暑くてぼーっとしていて、いいものが書けませんでした。」と謙遜していた記者でしたが、実際に拝見させていただき、…絶句。記者には私はなれないことを確信してしまいました。
 その後、原稿に合わせて、画像を編集する作業を見せていただきました。ほんの1分ほどのニュースを制作するのに相当な時間をかけることが改めて分かりました。そして、夕方の6時のニュースで実際に放送された時には、感動しました。こういう感動をいつも味わっているからこそ、記者やカメラマンの方々は、大変な仕事だけれども毎日生き生きと仕事ができるのだなと思いました。
 この3日間の群馬テレビでの体験研修。いろいろなことを初めて知り、最初から最後まで興味深く研修することができました。さまざまな機械を巧みに使いこなしたり、表情豊かにアナウンスしたりする姿に驚きました。そして、なんと言っても、一つの番組ができ上がった時の感動を味わうことができました。すばらしいチームワークに支えられた番組作り。結束力の固いチームワークは、どの職場でも必要なことです。これから教育現場にもどった時、生かしていきたいことだと強く思いました。



研修先│ベイシア │藤岡市立○○小学校教諭 パンダ


 接客が一番大変なことだと常々思っていた私にとって、ベイシアでの研修は少々不安でした。そんな気持ちの中、第1日目が始まりました。
 正直言って、私はベイシアのことはよく知りませんでした。しかし、朝から会社の概要や分社経営等の講義を受けたり、実際に各店舗を見学させていただいたりするうちに、少しずつ分かってきました。講義の中で、○○教育部マネージャーさんからいろいろなことを学ばせていただきました。「勉強しないと、ついていけない。」「消費者の立場や気持ちをよく考えることが大切。」などの言葉は、特に印象的でした。また、「For the customers(顧客第一主義)」という経営理念の下、その具体策として次の4点が示されました。@チェーンストア イズ モアディスカウントビジネスに徹する。「安く売って儲ける」A地域格差を解消し、国民の豊かな生活作りに貢献する。B「地域物価の引き下げ」→その地域の人に喜んでもらう。C人をつくって商で文化を創造する。「社員教育」。 このような点に基づいて経営しているからこそ、今のすばらしい経営状況があるのだと納得しました。
 午後5時頃から、実際に販売研修をさせていただきました。私は靴売場に行って靴の整理や品出し、商品の補充の作業をしました。たった1時間半ほどの販売研修でしたが、緊張した時間でした。 
 第2日目。軽衣料の部門へ行って、販売研修をさせていただきました。今まで買う立場の時は当たり前のように思っていたことが、反対の立場になると全く違うように感じることがあるものです。例えば、レジの所で買っていただいた商品を袋詰めする仕事。いつも何の気なしに見ていたことが、すごく緊張して大変であることが分かりました。袋詰めの最後にセロテープでとめますが、それさえ上手にできないことが情けなく思いました。そんなふうに思っている時、○○さんという店員さんが「私も最初にレジをした時は、震えました…。」と言って下さいました。ちょっとほっとしました。
 発注の仕方を見せていただきました。バーコードを読む端末機みたいなものがあって、それでちょっと操作するだけで発注ができることにはびっくりしてしまいました。教育の世界にもこういった道具があると便利だなあと思いました。そんな便利な道具を使いますが、実際の入力の際には、すべての商品の売れている状況をしっかり把握するとともに、これからのことを的確に予測することが必要であることが分かりました。手際よく操作したり明確に私に対して入力する数量を指示したりする店員さんの熟練された姿には驚きの一言でした。
 最後の5分位の時、○○さんにウィングの下着のコンテストのことについて紹介していただきました。お客様に対して、下着のよいものを投票していただくことで、さらにその下着に関心を持っていただくような工夫をされていることが分かりました。「ウィング」を任されている○○さんが生き生きとした表情で説明していることが大変印象的でした。
 第3日目。午前中は、8時から飲料や加工食品の品出しをしました。段ボールの箱の中に入っている商品を出して陳列するという一見単調な仕事ですが、手際よく行うには大変なことであることが分かりました。商品を置く場所を見つけるだけでも、時間がかかってしまう始末でした。陳列の仕方にもお客様の目を引き購買意欲をかき立てるような工夫が必要であることを知りました。この品出しは時間との戦いです。こんな仕事を毎日行っていると聞き、大変驚きました。それだけ大勢のお客様が買って行くということやそのために毎日あんな多数の商品を仕入れて品出しをするということなどに改めて驚かされました。
 午後1時から1時間ほど、商品管理の様子を見学したり説明していただいたりしました。一日の伝票の数が800枚もあると聞き、またまた驚きました。それほど多い数の伝票を分類したり確認したりするのには熟練した方でなくてはできないと思いました。また、一日の売り上げの数などをコンピュータで管理していることを知りました。お客様が買った品物がレジを通るたびに、バーコードの読みとりによって自然にコンピュータに入力されます。前日の売り上げはもちろんのこと、一週間の売り上げ、前年との比較など瞬時にしてコンピュータの画面で確認できます。その数字を見て、今後の発注などの計画も立てるそうです。企業でのコンピュータ化されたシステムには、今更ながらに脱帽してしまいました。教育界にも取り入れていけるとよいと思いました。
 その後は、家庭雑貨のコーナーや「赤ちゃん王国」で品出しをしました。この日は、品出しの作業が多くありました。お客様に対して緊張するような場面はあまりなく気は楽でしたが、足が疲れました。
 第4日目。朝9時50分から午後4時まで、軽衣料の部門で品出し研修をしました。月曜日に発注したものが届いたのでした。入れ物から出して値札や2割引の札を付けたりしました。靴下に値札を付ける時、便利な道具を使って行いました。こんなものがあるのかとびっくりしました。肌着の陳列もしました。簡単だと思っていましたが、場所を見つけるのに苦労しました。欠品があるとそこに違う物をとりあえず入れておくらしいので、よく商品番号を見て置き換えないといけないことが分かりました。
 品物を出した後、残るゴミ(紙やプラスチックの箱など)の処理の仕方をきちんとする必要があることも改めて知らされました。当たり前のことですが、こちらのようなスーパーではたくさんのゴミが出るので、箱などはよくつぶしてひもなどで何個かずつをひとまとめにしないといけないのです。午後4時になって、軽衣料部門の方に別れの挨拶をした時、「また明日も来て下さい。」と言っていただきました。嬉しく思いました。
 午後4時20分からは、ワールドスポーツ店で品出しをしました。品物のある場所を見つけるのが大変でした。水着やジャージなどのハンガーかけもしました。ジャージのズボンのかけ方にはちょっとしたきまりがあることも知りました。よい経験になりました。
 第5日目。最終日のこの日は、8時30分から15時40分まで生鮮研修を行いました。私は、その中の鮮魚の部門で研修をさせていただきました。鮮魚作業室に入ってまずしたことは、手洗いとアルコール消毒です。当然のことかもしれませんが、衛生面に気を遣っていることが分かりました。その後、店内に出て、魚などの商品を陳列しました。「先入れ先出し」を基本に行いました。店員の方が親切に教えて下さったので、場所などもすぐ分かり順調にできました。しばらくするとなれてきて、自分から場所を見つけ並べることができ、少し役に立っているようで嬉しく思いました。
 この仕事が一段落つくと今度は、作業室に入って仕事をさせていただきました。ホッケをトレーに入れたり、イカのモロミを包丁で切ったりしました。アサリやサンマをトレーに入れたりもしました。また、トレーにウナギをのせた後、ラップがけをしました。このラップがけにはコツが必要なようで、店員さんはいとも簡単に行うのですが、私には難しく上手にできるようになりませんでしたが、何とかできました。ラッピングをした後、その上に商品名などのシールを貼り付けている時、これが陳列され売られていくのかと考えたらなぜか嬉しく思いました。また、自動でラッピングをし、重さによってそれにあった価格がプリントアウトされたシールを貼ってしまう機械があり、それを見た時には大変驚いてしまいました。「いつ頃からこのような便利な機械が導入されているのかなあ。よくできているなあ。」と本当に感心してしまいました。
 店員の皆さんがてきぱきと、しかも黙々と作業しているのを見て、さすがだなと思いました。自分のなすべきことをきちんと分かっていて、その一つ一つを責任をもってこなしていっている様子がうかがえました。このように、毎日毎日しっかりと繰り返されているのでしょう。大変勉強になりました。
 この5日間で得たものは筆舌に尽くしがたいものがあります。また、私たちの企業体験研修のために、しっかりとしたプログラムを立てて下さり、細部にわたり心遣いをいただきました。大変ありがたく思いました。私の人生の中でも、大変意味のある日々だったと思います。「たかが5日。されど5日。」今まで知らなかった世界を知ることができたことは、とても貴重な体験でした。この体験は、これからの教師生活や人生にきっと役立つと確信しています。
 「いらっしゃいませ。」「はい、かしこまりました。」「恐れ入りますが、」「大変おまたせいたしました。」「ありがとうございました。また、お越し下さいませ。」この接客五大用語を笑顔で言おうとする精神は、どの社会でも通用することであり、とても大切なことであると思います。教育現場にもどったら、そんな気持ちで「おはようございます。」「お世話になります。」「ありがとうございました。」と、どんな時でも言える教師でありたいと思います。

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