社会科学習指導案                           もどる
                    平成5年1月27日(水)第3校時
                     5年2組 指導者 パンダ
1 単元名 テレビ局で働く人々 (大単元 わたしたちの生活と情報)
 
2 考察
 @単元設定の理由(教材観)
   産業構造の大きな変化に伴い、従来の生産活動を中心とした産業の学習  だけでは、現代の社会をとらえることができなくなってきている。そこで  第3次産業に含まれるものとして、運輸および通信の学習が、新学習指導  要領で新しく加えられた。本単元は、第5学年の内容のBのイに対応して  おり、通信に関わることである。 
   情報化の時代といわれるように、現代では日常生活の中にも、国内はも  ちろん国外各地から、膨大な量の情報が即刻に伝えられるようになった。  それだけに、通信・情報が私たちに与える影響力は大きなものとなってお  り、これらとの関わりのない生活など考えることができなくなっている。   しかし、第5学年の児童は、表面的な知識を持っているだけで、それら  の影響力や重要性などについて、深く認識しているとは言えない。また、  それらの産業に従事している人々の工夫や努力の様子について気づいてい  るものも少ない。ましてや、氾濫している情報に惑わされることなく、適  切な情報だけを活用していくことの大切さに気づいている児童はいないと  思われる。                               これからますます情報化の波が寄せてくるだろう。したがって、上述の  ような児童像のままでは、これからの社会で有意義な生活を送ることは望  めないと思える。すなわち、情報産業に関する深い認識や、情報に対する  正しい理解・態度を身につけることが、日常生活における必須条件となっ  ていくものと考える。                          そこで、児童にとっていちばん身近であり、興味や関心の持てるテレビ  を取り上げて学習することにした。あるテレビ番組を視聴し、それをもと  に番組づくりに関わるいくつかの課題を設定していく。そして、各種の資  料を調べたり実際にテレビ局を見学したりすることを通して、その解決を  図っていくこととなる。この学習により、テレビ局で働く人々の工夫や努  力の様子などはもちろん、その他の通信・情報に関する事柄を深く認識さ  せていけると考える。また、さらに学習を深めていく中で、情報を有効に  活用していく事の大切さについても気づかせていけるものと考える。     以上のことから、本単元を設定した。
 
 A系統




    3年




 
 


 

わたしたちのくらしと商店がい
 

a
 

人びとのくらしと
  工場のしごと
 



 
 
                     a


 

かわってきた人々のくらし
 

a
 

人びとのくらしと
 田や畑のしごと
 



 
 
 
             a             


    4年

 
 


 

わたしたちの県
 

  a
 

きょうどを開く
 


 
 
             a        





    5年




 
 


 

私たちの生活と食料生産
 

a
 

私たちの生活と工業生産
 


 
                    a




 

私たちの生活と情報
 ・情報の働き
 ・テレビ局で働く人々
 

a
 

私たちの生活と運輸
 


 
              
 
 
 
 B児童の実態                               
 本学級は、男子22名、女子18名、計40名の構成である。全体的に明るく元気があり、子供らしい素直さを備えた児童が多い。そのため授業  中の発言については、比較的積極的に行うようになってきているが、やや  自信のない答えについては勇気が出せず発言できない児童が多かったり、  分かっている問題についても人任せにしている児童が数名見受けられたり  するという状況でもある。
 社会科全般的なこと及び本単元に関わるアンケートをとってみた。その項目および結果、分析等を以下に示す。
 
  (アンケート1)
  1あなたの家には、テレビが何台ありますか。
   1台(4人) 2台(19人) 3台(9人) 4台(6人) 5台(2人) 平均(約2.6台)
 
   *ほとんどの家庭で、2台以上所持している。生活の豊かさを物語って    いるのは言うまでもないが、それだけでなく、家族の中でもそれぞれ    に違う情報をテレビから求めるようになっているということも考えら    れる。
 
  2テレビを1日平均どのくらいみますか。
     30分くらい(2人)    1時間くらい(7人)           2時間くらい(12人)   3時間以上(19人)
 
   *4分の3の児童が2時間以上視聴している。しかも半数近くは、3時    間以上であるから、1日の生活時間帯の中で、テレビの視聴時間の占    める割合は、相当量に達している。それだけに、テレビから得ている    情報量も多いものといえる。
 
  3どんな番組をたくさんみますか。(複数回答可)
    教養(4人)            報道(ニュース)(30人)     娯楽(アニメ・ドラマ・バラエティー・音楽)(39人) 教育(NHK)(13人)        スポーツ(20人)        その他(1人)
 
   *娯楽、報道、スポーツの順に多い。視聴している内容の詳細は分から    ないが、報道を視聴する児童が比較的多い点に注目したい。社会の動    きに関心を向けられるようになってきているのかもしれない。社会科    の学習においてはもちろん、その他の学校生活の中で、折にふれ社会    的なニュースを共通話題にしていき、児童とのコミュニケーションが    はかれるものと考えられる。
 
  4一つの番組(例えば30分のニュース番組)作るのに
   @何人ぐらいでやっていると思いますか。(  人ぐらい)
     1〜20人(18人) 21〜40人(17人)            41〜60人( 2人) 61〜80人( 0人)
    81〜 100人( 3人)
   Aどんな仕事(係)があると思いますか。(思いつくものを挙げなさい。) 
    ○児童から挙がった主なもの(名前は挙げられないが内容的に同じものは、一緒に数える)          ・カメラマン(26人)・キャスター(アナウンサー)(18人)     ・照明(13人)・音響(11人)・取材記者(8人)          ・レポーター(5人)・ニュースの原稿を書く人(5人)         ・ディレクター(5人)・プロデューサー(3人)           ○一人で何個挙げられたか。
       0個(4人)  1〜 3個(19人) 4〜6個(14人)       7〜9個(2人)10〜12個( 1人)
   Bどのくらいの時間がかかると思いますか。(   ぐらい)
     〜1時間(10人) 〜2時間(6人) 〜3時間(4人)
     〜5時間(4人)  〜7時間(1人) 〜半日(5人)
     〜1日(5人)   〜2日(2人)  〜1週間(3人)
 
   *実際の番組づくりに対する知識を持っていない児童が多くいる。これ    は、当然の結果であろう。それだけに、実際に見学をしたり資料を調    べたりすることによって、児童にとって驚きや感動などが経験できる    と考えられる。
 
  5テレビがなくなったら、どうなると思いますか。
   ○主な意見
    ・おもしろくなくなる。(27人)
    ・情報が入ってこないので、世界や日本の情勢が分からなくなる。
                              (11人)    ・不便になる。(9人)
    ・生活が暇になったり、1日が長く感じられるようになったりする。                              (5人)
    ・友達と話すことがなくなる。(2人)
    ・パニックになる。(2人)
 
   *児童の生活の中で、情報源としてのテレビの存在が大きいことがうか    がえる。
 
  (アンケート2)
  1社会科は好きですか。
    好き(18人) きらい(6人) どちらでもない(16人)
 
   *「どちらでもない」の中には、場合によって「好き」であったり「き    らい」であったりするようだ。「きらい」と思う児童が少なからずい    ることを見逃さないで、教師側としてはどのような工夫をしていけば    「好き」という気持ちに変容させられるか、常に念頭に置いておく必    要がある。
 
  21の理由は何ですか。
   ○「好き」の主な理由
    ・得意 
    ・地図や資料などを調べたりして、日本のいろんな事が分かっておも     しろい。
    ・実際に見学して、詳しく調べられる。
    ・普段分かっていることでも思いがけない発見などがあって楽しい。    ・外国と日本のつながりが分かっておもしろい。
    ・プリントを使って学習することが楽しい。
   ○「きらい」の主な理由
    ・苦手
    ・めんどうくさい。
    ・覚えられない。
    ・意味が分からない。
   *「好き」な児童に変容させるためには、苦手意識を持たせないで、い    かに興味を喚起させながら、自ら問題意識を持たせ、それを解決させ    ていくかが鍵のようである。それには、例えばできるだけ体験的な学    習を取り入れたり、興味を引き付けるような資料提示をしたりするこ    とが必要であると考えられる。
 
  3社会科で、どんな学習がしたいと思っていますか。
   ○主な意見
    ・世界のこと
    ・日本の歴史
    ・世界の大きな問題や日本の中での事件を詳しく知りたい。
    ・グループで協力できる学習(例−新聞づくり、アンケート)
    ・町の人にインタビュー
    ・ビデオやテレビを使った学習
    ・テレビ局のこと・テレビ番組の製作の仕方 
    ・学校でしたことをもう少し深く調べたりすること
 
   *グループ学習、ビデオを使った学習、町の人にインタビューなど、児    童が主体的に行える学習や体験的な学習を求めていると思われる。
    テレビ局やテレビ番組の製作の仕方に興味や関心を示してきている児    童が数名現れている。児童の学習意欲を喚起させるよい機会であると    いえる。                
 
3指導目標                           
 ・テレビ局で働く人々の様子や番組作りの工夫や努力などに気づかせる。
 ・情報を有効に活用することの大切さに気づかせる。
 
4指導方針
 ○児童が興味や関心を持つように、資料の提示の仕方を工夫したい。
  (グラフ、ビデオなど)
 ○ある番組のビデオを視聴させることにより興味を持たせ、実際にテレビ局  へ見学に行った時に調べたいこと(課題)を自ら設定させたい。
 ○テレビ局の見学や各種の資料を調べることにより、児童自ら設定した課題  を解決させるとともに、指導目標を達成させたい。
 ○問題解決学習を進める中で、学習プリントを活用することにより、児童が  意欲的に学習に取り組めるようにしたい。
 ○まとめの段階では、児童に実際に番組作りをさせることにより、テレビ局  の人々の工夫や努力を再認識させたい。
 
5指導計画(大単元「わたしたちの生活と情報」 …15時間予定 本時5/15)
     (小単元「テレビ局で働く人々」  …11時間予定 本時1/11)

小単元

過程


ね ら い

学 習 活 動

  活動への配慮































 

















 








 

・教科書資料の「正確に年
末に届けられた宅配便」を
きっかけに、情報の働きに
対する関心を持たせる。



 

・教科書資料をもとに、宅配便が届
けられた白井くんの家の楽しい正月
の雰囲気をつかんだり、白井くんと
おばあさんとの会話を想像したりす
る。
・宅配便が正確に届けられたことは
、情報の働きによるらしいことに気
づき、これからの学習課題をつかむ

・「わたしたちの生活と運輸」で学習した宅
配便であることから、前の学習と結びつけて
通信の学習の導入とする。
・プリントを利用して、白井くんとおばあさ
んの会話を想像させ、役割演技させる。
・白井くんが不思議に思ったことから、学習
課題に結びつけるようにする。
 








 

・課題「宅配便がなぜ時間
どおりに届くのか」から、
産業に情報が生かされてい
る様子をつかませる。



 

・教科書資料やプリント資料をもと
に、宅配便の荷札が書かれている情
報を詳しく調べる。
・その情報がどのように読み取られ
お客の所まで届けられるのかまとめ
ることを通して課題を解決するとと
もに、産業に情報が生かされいる様
子をつかむ。

・学習プリントの中に宅配便の荷札のコピー
をのせ、調べやすくする。
・家庭から荷札を持参してきた児童には、そ
れも参照させる。



 


調



 






 

・生活や社会の中での情報
の生かされ方に気づかせる



 

・「情報」の意味を知る。
・既習の産業の中で、情報を生かし
ているものを調べる。また、その生
かし方を調べる。
・日常生活での情報の求め方をまと
める。

・プリントを利用し、教科書資料を中心に調
べる活動を多く取り入れる。
・自分の生活を振り返り、各種の情報との関
わりについてまとめるようにさせる。

 






 






 

・情報を伝える手段には、
さまざまなものがあること
を知らせる。


 

・情報を伝えるものを調べたり考え
たりする。
・情報をいくつかの観点から分類す
る。
・情報を伝える仕事を知る。
・昔の情報の伝え方を知る。

・プリントを利用し、教科書資料を中心に調
べる活動を多く取り入れる。そして、話し合
い活動も多く取り入れて、情報を伝える手段
についてまとめさせていく。
・昔の情報の伝え方については、教師の方か
ら情報提供する。























11










 







 







 

・ある番組の視聴をもとに
、テレビ局で調べたいこと
をまとめ(課題をつくり)
、予想させる。


 

・情報を伝えるものの復習をする。
・「情報を手に入れるところ」とい
う統計資料をみる。
・番組「ふれ愛ワイド」のビデオの
一部を視聴する。
・群馬テレビで調べてきたいことを
まとめ、予想する。

・統計資料の提示の仕方を工夫し、テレビに
対する興味や関心を高めさせる。
・調べる観点を持ちながら、ビデオを視聴さ
せる。
・課題の設定や予想などがしやすいように学
習プリントを利用させる。
・クラス課題、個人の中心課題を確認させる




調







 




 

・テレビ局(群馬テレビ)
を見学し、テレビ局で働く
人々の様子や番組作りの工
夫などをつかませる。

・生番組「ふれ愛ワイド」の一部を
直に見学する。
・テレビ局の人に質問をしたり、説
明を聞いたりする。

・課題を解決するべく、見学や質問の観点を
しっかり把握させる。
・調べて分かったことを学習プリントにまと
めさせる。




 

・見学して分かったことを
整理し、発表し合わせるこ
とにより、課題解決をさせ
る。

・見学したことを整理し、発表の準
備をする。
・発表し合う。
 

・個人の中心課題が共通な児童をグループに
し、発表させる。

 


 

・テレビ局で働く人々の工
夫や努力をまとめさせる。

・教科書資料などを調べる。
 

・学習プリントを利用し、意欲を高めさせる













 



 

・情報を有効に活用するこ
との大切さに気づかせる。
 

・教科書資料や教師から提供された
資料を調べたり聞いたりする。
・情報の活用の仕方について考える

・身近な例を取り上げ、興味を持たせながら
情報の活用の仕方について考えさせる。
 









 

・テレビ局で働く人々の工
夫や努力を手がかりに、役
割分担を決め、番組を製作
させる。




 

・番組の内容を考える。
・役割分担を決める。
・ビデオ撮りをする。(編集をする
。)
・視聴し合う。



 

・グループ毎に5分程度の番組を作らせる。
・どの役割も大切であることを知らせる。
・可能な場合は児童にカメラ操作をさせる。
・他のグループの作品の良い点に目を向けさ
せる。
・学習プリントを利用し、番組の製作を意欲
的に進めたり、観点を持って視聴したりでき
るようにする。
 
 
6 本時の学習
 @目標
   テレビ局で調べたいことをまとめ(課題作りをし)、予想することができる。
 
 A準備
  教師 統計資料(「情報を手に入れるところ」・「テレビに関するアンケ     ートの結果」)、ビデオ「ふれ愛ワイド」、課題カード(画用紙)     マジック、学習プリント
  児童 筆記用具、ノート、前時までのプリント 
 
 B展開

 学 習 活 動

時間

  指導上の留意点

  評価の観点

1(前時の復習)情
 報を伝えるものを
 確認する。


2統計資料「情報を
 手に入れる所」「
 5の2の子の家の
 テレビの台数」な
 どを見る。










 

・前時の学習を振り返り
 発表させる。思い出せ
 ない場合は、前時の学
 習プリントを見て確認
 させる。
・「情報を手に入れる所
 」については、故意に
 項目名を伏せ予想させ
 ることにより、興味や
 関心を持たせる。

○テレビ、ラジオ、
 手紙、電話、新聞
 広告などを挙げる
 ことができたか。

○情報源の代表的な
 ものとしてのテレ
 ビに対して興味が
 持てたか。
 

3「テレビ局で働く
 人々」という学習
 をしていくことを
 知る。

4番組「ふれ愛ワイ
 ド」のビデオの一
 部(6〜7分)を
 視聴する。




5何を調べてきたい
 かまとめる。(課
 題作りをする。)
 自分なりの予想を
 立てる。
6調べてきたいこと
 (課題)の主なも
 のを画用紙に書き
 、黒板に掲示し、
 発表し合う。
 それぞれについて
 予想し合う。
 




10







 

・情報源として多く利用
 しているテレビの番組
 を製作している人に目
 を向けさせる。

・実際に生番組「ふれ愛
 ワイド」を見学するこ
 とを告げ、興味や関心
 を高めさせる。
・調べてきたい観点をさ
 がしながら、視聴する
 ようにさせる。

・プリントにまとめさせ
 る。
・課題が立てられない児
 童には助言を与える。

・机間巡視をしながら、
 主な児童を抽出して書
 かせる。場合によって
 は、挙手をさせ、書か
 せる。
・予想し合わせることに
 よって、見学に対する
 意欲づけを図る。

○テレビを介して情
 報を提供しようと
 する側に対して、
 目を向けることが
 できたか。
○観点をしっかり持
 って、視聴できた
 か。





○自分なりの課題や
 予想が立てられた
 か。


○テレビ番組作りに
 関わっている人々
 の工夫や努力を調
 べてくるような課
 題が作れたか。
○予想し合えたか。

 




25








 

7見学の観点(クラ
 ス課題・個人の中
 心課題)を確認す
 る。

 






 

・見学の後、発表会をす
 ることを告げ、特に個
 人の中心課題について
 は、念頭においておく
 ようにさせる。
 

○個人の中心課題を
 決めることができ
 たか。


 
 C座席表
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
*本時に使用する学習プリント