“「好き嫌い」のない子”  もどる

 食べ物の好き嫌いのある子が多くなった。確かに子どもは大人と違って、苦いものなど食べにくいと思うものがあるだろう。しかし、今の子は、野菜など平気で残してしまう子が多すぎるような気がする。小さい頃の食生活が関係しているのかもしれない。一つの生卵を醤油で増やして、3人兄弟で分けていたような貧しい子ども時代を送っていた私には考えられない。食べ物を平気で残せる好き嫌いは、やはり贅沢病ではないかとも思えるのである。そんな私もパンはあまり好きではない。でも、給食で出されるパンを残そうとは思わない。
 私たちは食べ物を食べて、その食べ物からエネルギーをいただいて生きている。だから、自分の好きなものだけを食べて生活を続けていると、やはり栄養が偏ってしまって、丈夫な体でなくなるのは当然だと思う。健康な体にはたくましい精神も宿る。食べ物の好き嫌いの激しい子は、やはり精神的にもどこか弱くなってしまうのではないだろうか。アレルギー体質で食べてはいけないと医師から言われている場合には仕方ないが、そうでない限り、平気で残すようではいけない。 
 以前、ある高僧のこんな言葉を知った。「食べ物の好き嫌いは、人の好き嫌いに通ずる。」と。かわいい子ども達には、こうなってほしくないなと思う。