名前を呼ばれたら大きな声で返事    もどる


 今の子は、自分の名前を呼ばれても、返事ができない子が多い。できても、はっきりとしない小さな声で返事をする子が多い。そんなことでは、体全体からエネルギーなどわいてくるはずがない。
 「生きる力」を育むことが叫ばれているが、どんなすばらしい教材を与え、貴重な体験をさせても、人間としての基本の構えができていなければ、何も吸収できないし、「生きる力」どころではない。その大切な基本の構えの一つとして、返事があげられるだろう。自分の名前を呼ばれたら、「はい!」と大きな返事をする。「私は、ここにいますよ。」「承知しました。任せて下さい。」「どんなこともしますよ。頑張りますよ。」など、いろいろな気持ちを込めて言う。このことで、体や心の底から力がわいてくるし、表情にやる気がみなぎってくるものである。そして、そんな子はとても素直なまなざしを向けるようになるものである。
 そのためには、そのような習慣が子ども達一人一人に身に付くような機会を、クラスの中のあらゆる場面で設定していくことが必要である。
 例えば、授業中の指名の時、テストを配るとき、用事があって呼ぶとき、などなど・・・。あげればたくさんある。そんなとき、きちんと返事ができない子には何度でも名前を呼び直し、きちんと言わせるのである。しつこいようだが、これが大切なのである。これをきちんとしている教師と、なおざりにしている教師では、その受け持った子ども達の成長の差が、1年後に歴然としてくる。前者のような教師に担任してもらった子供は、あらゆる場面で自信を持ち、輝いた表情で行動できるようになっている。そんな子ども達を見たとき、教師として、真の喜びを感じることのできる瞬間なのである。