平成12年 8月29日 9時30分 〜 12時20分
13時20分 〜 16時30分
講義・演習「校内研修の進め方」
「校内研修案の作成」
講師:新潟県上越市立東本町小学校教諭
清水 雅之
(研修内容)
「校内研修の進め方」
<オリエンテーション>
○情報教育のリーダーは、「ディレクター」から「プロデューサー」へ
・「ディレクター」…自分のクラスや学年の中だけで授業設計をするだけでよい。
・「プロデューサー」…学校全体に視野を広げ、校内研修の計画作りをする。
学校内や地域の学校にリーダーを養成する。
○プロデューサーになるには…
・戦略家であれ。→見通しを持つ。企画力を持つ。
・あめとムチ、ボトムアップ&トップダウンを使いこなす。
・管理職、職員との連携を図る。(パイプ役、仲間作り、後任を育てる)
・タイミングを逃さない、意欲をかき立てる。
↓
◎適切な人間関係の構築
○本日の研修の流れについて
@情報化推進リーダーの皆さんへ(オリエンテーション) A研修のあり方について Bグループディスカッション C研修案の作成 Dまとめ
<研修のあり方について>
○以下の4つのテーマの中から1つを選択し、それについてグループで討議し発表する。
@「抵抗感のある教師には、どのような内容の研修がよいのだろうか?」
A「使い始めたのは良いが、リーダーの授業中でもSOSに来る。どうしたらよいか?」
B「技術習得する時間を校内研修でとれない。」
C「研修開催に教師が集まらない。」
○私は10班に所属し、東京都の○○先生、滋賀県の○○先生、長崎県の○○先生らと4人で取り組むことになった。上記の4つのテーマの中から、@「抵抗感のある教師には、どのような内容の研修がよいのだろうか?」を選択し、討議をした。その中で、「事例を示して興味を抱かせる」「できる人にも、すごいこと(レベルの高いこと)をさせない。」「年賀状、暑中見舞い、名刺、学級通信など、簡単に作り、それをおみやげとして持ち帰れるような研修内容にする。」「レベルやニーズに応じた研修内容にする。」などが出され、それらをまとめて発表した。
○他の9つの班の発表テーマは、以下のとおりであった。
テーマ@…1班、2班、6班 テーマA…3班、8班、9班
テーマB…5班、4班 テーマC…7班
どの班も、よく討議されたあとがうかがえるような内容であった。プレゼンも上手にできていた。
<グループディスカッション>
○「研修のあり方」のところでやったのと同様に、グループであるテーマについて討議し、発表した。今回は、以下のような8つのテーマの中から一つを選択することになった。
@「後任をどう育てていけば良いのか?」
A「理想的な校内リーダーとは?」
B「インターネットにおける問題点の対処は?」
C「児童生徒の操作技術向上はどこで図るか?」
D「校内教師のレベル・意欲をどのように把握するのか?」
E「コンピュータは必要ないと思っている先生の意識を変えるには?」
F「校内研修を授業活動に結びつけるには?」
G「コンピュータ環境をどのように整えるか?」
○私たち10班は、G「コンピュータ環境をどのように整えるか?」を選択し、討議した。
その結果、パソコンの配置、周辺機器、ネットワーク、インターネット、ソフトウェアなどの観点から、理想の環境について考えた。そして、その理想環境に近づけるためには、やはり予算をとってくることの重要性に気づき、そのためには、先を見通した上でのきちんとした要望書を作成し、管理職をはじめ教育委員会へ働きかけることが必要であるという結論に至った。以上のような内容をプレゼンテーションソフト「Power
Point」で表現して発表した。
○その他の班の発表テーマは以下の通りである。
@…6班 A…2班 B…8班 C…なし D…4班 E…7班 F…9班、1班
G…3班、5班
○それぞれの班の発表や講師の先生の話からたくさんのことが学べた。次に、その中からいくつかを挙げる。
・後任を育成するときには、あわてないことが大切。1年2年とかけて行うぐらいに気 長に取り組むこと。
・理想的な校内リーダーには、「気配り」「根回し」「軽い腰」が必要。そして、リーダ ーは、人的ネットワークを構築したり、情報ネットワークから積極的に情報収集した りする努力をすることが大切である。
・教師のレベルを把握するためには、アンケートを作成し活用することが方策の一つとして考えられる。
・情報教育が必要ないと考えている教師には、社会情勢の変化やこれからの子ども達に求められている力、教師に課せられていることなどを適切に伝えていき、情報教育の重要性に気づかせていくような働きかけが必要である。
・校内研修を授業活動に結びつけるには、実践例を多く見せたり、すぐ使えるような研修内容にしたりすることが大切である。
・児童の技術を向上させるためには、先を見通した学習計画を立てたり、スモールティーチャーを育成したり、コンピュータ技能認定カードのような子どもの励みになるような評価カードを活用したりするとよい。
・研修の進め方については、一人より二人、二人より三人というように、たくさんの頭脳で考えることで、よいアイデアが浮かぶ。
・「どんな人脈を持っているか」、「コミュニケーション能力」などが、これからのリーダーには要求される。
「校内研修案の作成」
「校内研修案の作成」に関する講義があった。明日グループごとに一つの研修内容を作成することになるが、その内容の条件などが以下のように示された。
@一人一人の研修員にとっておみやげになるものついてくるような研修
A参加している研修員同士の技能差を考慮に入れて進めるような研修
B×(コンピュータ否定派)、○(コンピュータ肯定派)の人の割合を想定して
C学校の大きさ、人数、設置されているコンピュータの数を想定して
D研修時間は、1時間〜1時間半を想定して
以上のような条件の下、各班である程度の大筋を考えた上で、本日の研修を終えた。実際に作成して発表するのは、明日となる。
(所感)
「校内研修の進め方」は、あるテーマについてグループ討議をした後、発表するという形態で進められた。討議をし、まとめ、発表するには、時間的に少々きつい感じがした。しかし、それだけにあるテーマについて、グループのメンバー全員が必死に考えたと思う。そのため、自分の班で討議したテーマについてはもちろんのこと、他の班が取り組んだテーマについても、その内容がよく理解することができ、今後の参考になることが多かった。
「校内研修案の作成」は、作成の際の条件などの簡単な説明を聞いた。実際の作成は、明日となる。私たち10班では、デジカメを活用させるための研修内容を考えることとした。メンバーの各々がアイデアを持ち寄ることになったので、これから明日の朝までの間に考えなくてはならない。おちおちと寝ていられない夜となりそうである。