平成12年 8月23日              15時00分 〜 16時30分
   講義・演習「学習指導における活用、コンピュータ・インターネットの役割」              講師:茨城県つくば市立並木小学校教諭
                                  毛利  靖
(研修内容)
○並木小学校における「インターネットを活用した総合的な学習の時間の取り組み」の中の環境学習での実践例をもとに、講義を受けた。
 ・インターネットの活用により、外部との情報のやりとりができるようになり、子ども  が自分の研究に対する意欲を高め、生き生きと取り組む姿を見せるようになった。
○授業改善を一番の目的にして、コンピュータやインターネットの活用を考えることが大切である。「はじめにコンピュータやインターネットありき」ではない。
○コンピュータやインターネットの活用には、メリットとデメリットがあるので注意が必要である。メリットとしては、例えば、「見ず知らずの人ともコミュニケーションがとれる」といったことがある。
○何と言っても生のコミュニケーションがよいが、いつも可能であるとは限らない。そんな時にコンピュータやインターネットが力を発揮する。
○教師は、児童の主体的な学習のための「コーディネータ」や「コーチ」、そして「一緒に追求する共同研究者」のような役割をすることが必要になってくる。
○「スタディノート」という校内ネットワーク(LAN)に接続されたコンピュータで動作する学校教育用グループウェアソフトを活用して、演習を行った。このソフトは、子ども達の「表現」を支援するノート機能と、「友達とのやりとり」を支援する電子メール・電子掲示板・データベース機能から構成され、活用しながら自然と情報活用能力の育成を図ることができるように作られたソフトである。インターネットにも対応しており、子ども達が作成したデータをホームページとして発表したり、遠隔地の学校とひとつのテーマについての「遠隔共同学習」を実現することもできるなど、「総合的な学習の時間」に利用できるソフトでもある。演習の中で実際に使ってみて、簡単にメールが送れたり電子掲示板に書き込めたりするので、子ども達に使わせるのに適していると思われた。並木小学校では、このソフトを存分に活用して実践を積んでいるようである。
(所感)
 これから「総合的な学習の時間」でさまざまな活動をしていく中で、コンピュータやインターネットの活用は必然的なものとなっていくだろうが、コンピュータやインターネットは、あくまでも学習改善のための道具であるということを忘れてはならない。そこをはき違えてはいけないことを改めて思い知らされた。また、これからの教育現場での教師の役割については、従来の「教える」側といった考え方から「コーディネーター」、ひいては「共同研究者」といった考え方に転換していく必要性があることを改めて感じた。
 「スタディノート」というソフトの便利さと教育現場での必要性は分かったが、かかる経費の高さいう壁をどう乗り越えればよいのだろうか。同じ日本国内でも、地域によって「コンピュータを利用した学習」に対する理解度が違う。そのためもあるのか、コンピュータにかける経費にも差がある。その辺については、国として各県や市町村に対してもっと強く指導をしてほしいと思う。ハードやソフトなどの情報教育を実施する上での環境整備については、すべての県や市町村で同程度になるように努力してほしいと思う。そうでなければ、せっかくこのような研修を受けても、各県や市町村でその研修内容を生かした実践はできないと思う。まさか、研修を受けた私たちがそれぞれの県や市町村で行政を説得するようにと願っているわけではないだろう。
もどる
もどる