平成12年 8月18日              10時30分 〜 12時10分
          講義「情報教育の内容理解」(衛星通信活用研修)
                           講師:東京工業大学教授 
                                    赤堀 侃司
(研修内容)
 講師から主に3つの課題が与えられ、それに研修員が答えていく中で講師がまとめていくという形で、研修が進められた。
(課題1)「教科の中でコンピュータを活用する授業と、情報活用能力を意識した授業があるが、それらの具体的な授業例を挙げて、指導の仕方の留意点も述べよ。」
○前者は、教科の目標を達成するためにメディアを活用する。それにより、教科の内容が深まるような工夫が必要である。
○後者の「情報活用能力」とは、あらゆる教科の中で育てていくことができる、生活する上で必要な能力である。つまり、教科の土台となるような能力であり、コンピュータに例えて言えば、OSのようなものである。
(課題2)「インターネットがすべての学校に接続されるが、その光と影が注目されている。事例を挙げてどのような光と影があるか述べ、どのように指導したらいいか述べよ。」
○光−リアルタイムで、世界中の情報が集まる。
○影−・実体験と仮想体験を混同してしまう。・時間がかかる。・検索して手に入れた情報をまるで自分のものとして発表してしまう。有害情報がある。
○指導方法−・検索の時、類義語辞典を活用させる。・授業時間以外でもインターネットの活用の時間を保障する。○検索したいことに関することを紙に書いて分類したりするなど、概念をまとめさせる。情報をどのように分類したらよいか教えていく。○検索して手に入れた情報については、引用先を明らかにすることの必要性を伝える。
(課題3)「別紙のように、情報教育の実施にはいくつかの課題がある。例えば、子供の方が技能が進んでいる場合には、どうしたらいいか、教師がコンピュータ操作に不安がある場合、どうしたらいいか、あなたの考えを述べよ。」
○子供先生の活用・TTの活用・教師としてはゆとりをもって違った部分でのサポートをすることが大切であり、技能があるなしは関係ないことであると教師集団で共通理解を図る。一人一人の教師に安心感を与える。・普段からコンピュータに触れるような機会を持ち、慣れさせる。・操作をしやすいよう、操作手順がわかるようなシールを貼る。・操作マニュアルを作成する。・基本操作を示した掲示物を用意する。 など

○ガイドライン−ひとりでは作らない。「ガイドライン作成委員会」等で作る。その中に、場合によっては小学生が入ってもよいのではないか。自分の学校の実情に合ったものを作る。できたガイドラインをみんなが守っていくという意識化を図っていくことが大切。
○情報化の光と影−@相手のいる学習であることを意識させることが大切。教育だからといって、すべてが許されるわけではないことや社会の厳しさなどを教える必要がある。もちろん教師自身も学んでいくことが大切である。A生徒は自分のものではないと意識することが大切。どんなものにも、どんな人が作ったものにも、それには著作権がある。教える者、教えられる者という関係であってはならない。B個人攻撃は許さない。攻撃される人の身になる。C生徒が主体になる。
(所感)
 質問形式で講義が進められたので、大変緊張感に満ちていた。そんな中でも研修員の皆さんは、堂々とした態度で答えていたので、感心してしまった。また講師の先生が、研修員の意見を上手に認めながら取り上げているので、さすがだなと思った。大変緊張したが、おかげで情報教育の内容についての理解が深められた。
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